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 税務調査は無料の税務監査

税務調査は、申告納税制度の下に納税者によって計算された課税標準や税額などが、適法に算出されたものであるかどうかを調査するものです。
具体的には、その課税標準や税額などを計算した会社の担当者に質問し、帳簿書類その他の物件を調査する他、この会社と取引関係にあると認められる第三者に対しても、同じように質問し、調査することにより行われます。
これらは、申告納税制度の基盤となる課税の公平を維持する役割も負っています。
納税者の方も、税務調査を受身的に考えるのではなく、日常業務や社内管理体制を充実させるためのチェックとして利用するといった態勢も必要でしょう。

 税務調査一巡の流れ

税務調査は、通常、下記の図のように行われています。


 知って安心、税務調査の風景

通常の税務調査は以下のような順番で行われます。ここでは典型的な2日間のパターンで説明します。
★1日目(初めは会社の概略について)

10:00
【1】朝10時になると、税務職員がやってきます。そして、身分証明書を提示しながら挨拶をします。名刺を持っている調査官もいますが、驚く事にその作成費用は自前だそうです。

【2】雑談から入り、会社の経営方針、業務内容、販売方法、会社組織、業種の特殊性等について質問されます。※社長の趣味は要注意。個人の経費か会社経費かどうかの情報提供になります。例)ゴルフ・ゴルフ関係の経費を詳細に調査されます。

【3】元帳や得意先元帳の提示を求められます。

12:00
調査官は通常昼食を外で食べます。

13:00
【4】売上内容のチェック(調査修正項目のうち19%を占める。 項目の約2割はこの項目です。そのうち売上の計上時期のズレ40%(今期に計上すべき売上が、来期にずれ込んでいないか)と、小口現金の売上の計上漏れ55%(実際の現金残高と、帳簿の残高を確認・合わせておきましょう。)

【5】原価の内容のチェック(5%) 
棚卸の計上漏れが判明する場合、特に仕掛品の計上もれが多いので注意です。期末で受注し、すでに作業を開始していれば仕掛品です。材料費は、会社側も間違いなく計上していますが、計上漏れでよく指摘されるのが、作業に関わった人件費部分です。また、外注費、賃金のチェックは該当者の住所や電話の確認がされます。

【6】反面調査との突合
税務署が予め取引先や銀行の調査をしていて当社に関する資料を持参している場合があります。
不一致がある場合は、厳しく問い詰められます。

16:40
【7】帰る準備
明日の宿題等が出され、16:50頃には帰ります。

★2日目(最終日の場合)

10:00
【1】昨日の続き

【2】経費・損失等のチェック(29%)
これらの内、他科目中の交際費の認定が23%と一番多いです。その他、修繕費、寄付金、旅費等のチェックが多くなります。

【3】利用資産等のチェック(18%)
会社の業務にきちんと使われているか?等

【4】その他の項目

12:00
調査官は通常昼食を外で食べます。

13:00
【5】問題点の絞込み
問題点の証拠固めをします。

15:30
【6】最終結論の確認
この日でほとんど修正の結論が出ますが、持ち帰って検討となる場合もあります。

16:50
この頃には帰ります。


後日、調査官から顧問税理士に、税務署での検討結果の報告があります。修正がある場合には、修正申告書を提出するとともに、税金を納めなくてはなりません。修正がある場合は延滞金や罰金がかかります。
タイムスケジュールとしては以上ですが、その中には様々なドラマがあります。

 次のページへ  税務調査の傾向と注意点についてご説明します。
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